Factory
1. 調合する
「各色の粉」、「アルギン酸」、「水」の3つをを混ぜて、染料を作ります。 都度微妙に色が変わることが捺染(なっせん)の良さでもありますが、各材料は0.1g単位で調整します。0.1g違うだけで、完成したときの色味は大きく変わるのです。 また、再現する絵の細かさによって、アルギン酸の量を調整し、染料の粘性を微妙に調整していきます。 細かい絵はにじみを抑えるため粘性を高く、広い絵は深く染み渡るように粘性を低く調整します。
2. 広げる
縦110センチ、横120メートルに渡る生地を4台の25メートルの台に分けて伸ばしていきます。縦に2等分すると、およそバンダナのサイズになります。 シワが発生しないように、またホコリが付かないように、25メートルの台を何度も往復して徹底的にチェックしていきます。
3. 染める
シルクスクリーン版を生地の上に載せ、その上から手動で染料を乗せて行きます。 台の下に等間隔に設置されたコマに合わせて版をスライドさせるため、版をずらしても、他の印刷範囲に影響を及ぼすことはありません。2色以上で染めるときは、1回の染色が終わり、完全に乾くのを待ってから、別の版で次の色を入れていきます。
4. 乾かす
染め終わったら、扇風機や熱風を使って完全に乾かします。乾かすことで、2色目以降の色をにじませることなく乗せていくことができます。 熱線が入った台を使うことで早く乾燥させることができますが、ここでは木の台を使っています。熱線を使わずにできる限り自然に乾かすことで、乾ききるまでに染料が裏面までしっかりと通り、裏から見ても美しいバンダナを作ることができます。 また染料は雨の日は乾きにくく、晴れの日は乾きやすいものです。当たり前ですが、生地も染料も生きています。
5. 蒸す
この染料は反応染料のため、熱を加えることで色が生地に定着します。染めて乾かし終わった生地を窯で蒸して熱を加えます。このとき蒸気の量がポイントで、色によって蒸気の量を調節し、細かい色の表現を再現して行きます。
6. 洗う
蒸し終われば一度、水洗いを行います。いよいよ、手に取るバンダナに近づいてきます。
7. 裁断する
バンダナサイズに裁断していきます。
8. 縫製する
バンダナの4つの辺を縫製していきます。縫製にもいろいろな種類がありますが、今回シンプルな「三つ巻き縫い」を採用しています。